「不登校」と向きあって
〜学校へ行かない選択をした君へ〜

君は、すごいと思う。
「学校へ行かない」という選択を自分できたのだから。

君は、すごいと思う。
自分で「行かない」と決めたことを、実行できているのだから。

じゃぁね、もっとすごくなれる方法を教えてあげるよ。
それはね、
「なぜ、自分がその選択をしたのか」を
自分の周りの人(家族や学校の先生、友達など)にきちんと
話したり、または説明をしたりすることだよ。

まちがえちゃいけないよ。
「話をする」んだよ。「自分の言葉で相手に伝える」んだよ。

行動で表したり、体の不調さで訴えたりすることはできるんだよ。
学校のガラス窓割ったり、いすを投げてみたり、人を殴ってみたり、
授業に出なかったり、授業にヤジ入れてみたり・・・。
頭やおなかがきりきり痛んだり、ふらふらして倒れちゃったり、
気持ち悪くなって吐いちゃったり、朝起きられなくてぼーっとしたり
涙を流したり、ご飯を食べられなくなったり、逆に食べ過ぎたり。

君はどうしてもつらいから、そういう状態になったんだろうね。
そうして、はじめはそうするしかなかったんだろうね。
それはそれで、いいんだよ。だってそうしなくちゃ君自身が壊れちゃうでしょ?

でも、そうやって表現してみて、気持ちよかった?すっきりした?何か変わった?
あとに残るのは、いやーな気分か、後悔か、もっと元気のない自分じゃない?

乱暴な行動や、具合の悪さで表現して訴えても、
周りの人は結局、君の本当の気持ちなんかわからないんだよ。

しょうがないさ。だってみんな「君」とは違う「別の人」だもん。
いくら血のつながりのある家族でも、本当の君の気持ち「全部」はわからないんだよ。
それがわかるのは、君自身だけなんだよ。

「こんなにつらいのに、どうしてわかってくれないんだよ。」

まずは、その一言だけでもいいよ、わかって欲しい人になげかけてごらんよ。
誰でもいいよ、自分が一番近づける人に訴えてごらんよ。

それが君が前に進む第一歩だと思う。
そしたら絶対に、何かは変わると思う。

「どうしたの?何がつらいの?」
その一言がもらえたら、君は前に進むエネルギーをちょっと手に入れられるよ。
そのあとは、精一杯の気持ちで、そう聞いてくれた人に訴えることだよ。
そこでまた一歩、自分の苦しさをはき出して前に進むことができるよ。

でも、もしもそばに、誰も話を聞いてくれる人がいなかったら・・・。

そしたら、ノートを一冊、用意しよう。

どうしようもなく苦しくて悲しくて、でもそれをはき出すところがなかったら、
そのノートに思っていることを全部書いちゃえばいい。

誰も見ないノートだもの、思いっきりすごいことまで書いちゃったっていいさ。
とにかく、書いて書いて、全部書いちゃおう。

書いているうちに、自分の心がだんだん見えてくるよ。
いらいら、ドキドキ、プンプン、ガーン、しくしく、ずきずき、
そんな自分の心の様子がわかったら、これからどうしたらいいのかが見えてくるよ。

別に、文がうまくなくてもいいし、文が書けなかったら絵を描いてもいい。
頭がぐらぐらして何も思いつかなかったら、
ノートにぐちゃぐちゃに線を書くだけだっていい。

それを続けてみよう。
毎日じゃなくてもいい。
自分の気持ちがどうしようもなくなった時だけでもいいんだよ。

もしかしたらね、それで思いがけないドキュメンタリーができあがるかもしれない。
将来、自分を表現した小説を書く材料になるかもしれない。
思いがけなく、自分の絵の表現法が見つかるかもしれない。

その時の気持ちにマッチした、音楽を聴くのもいい。

いろんな音楽を聴くことで、
自分の気持ちと同じ気持ちを歌ったり演奏したりする人に出会えるかもしれない。

本でも、マンガでも、ダンスでも、
どこかに必ず君と同じ気持ちを持ってて表現している人がいるよ。探してごらん。

とにかく、どこかに自分の気持ちを・・・心を「表現」することで
つらいことを忘れたり、新しい自分を見つけたり、やりたいことが見つかったりするよ。

それでも、どうしても、気持ちの行き場所がなかったら・・・。


わたしにメールしてね。一緒に前に進む方法、考えよう。

さいごにふたつだけ。
絶対につらくてもしちゃいけないことがあるのはわかるかい?

「自分で自分の命を絶つこと」
これだけは、絶対にやっちゃいけない。

自分のために、他の命を傷つけたり消してしまったりすること、
これも絶対にやっちゃいけない。

「こんなにつらいなら、死んだ方が楽かもしれない」
そう思う気持ちもわかる。私も何回か考えたことあるからね。

でもね、死んじゃったらもう前には進めないんだよ。そこでおしまいなんだよ。
生きているから「つらい」けど、生きていればきっと「楽しくて嬉しい」ことも
いっぱいこれから待っているはずだから。

それを楽しまなくちゃ損じゃない、ね?

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