「うつ」と向きあって
〜その4「うつ」の状態 Lv.2〜
毎日毎日、「ぷよぷよ」をいじっていたLv.1の状態は
いったいどのくらい続いたのだろうか。
ただひたすらにパソコンをいじっていたのは、
いろいろわき出てくるいやな苦しい思いを忘れるためであり、
もう一つは、「職場復帰の日」が近づくにつれて、
その不安感から逃げたいためでもあった。
何かしていないと、悪い考えばかりが頭を駆けめぐってしまうのだ。
こんな自分が職場にもどること、それすらも恐怖に思えてたまらなかった。
仕事がいやな訳じゃない。生徒が嫌いになったわけでもない。
理由なんか無かった。ただ怖かった。
お医者さんから最初にもらった診断書の「療養を要する日」は、まずは二週間だったように思う。
けれどももちろんそんな状態で復帰OKがお医者さんから出るはずもなく、
診断書の期日は2ヶ月に延びた。
だからといって、うつの状態がすぐによくなるわけではないが、
職場には代替の職員が入り、私が休んでほかの人に仕事の負担が増える心配は消え、
「人に迷惑をかけている」不安から多少は解放された。
そのあたりからうつの状態もちょっと変わったように思う。
ただパソコンを眺めてさわるだけでなく、表現したいと思った。 |
食事は相変わらずのどを通らず、ふたくち食べて、もう疲れてしまう。 |
朝、起きられず、起きてすぐにめまいがして倒れること数回。 |
外に出たくなくて人に会いたくない。でも家族は大丈夫になってきた。 |
病院へは主人に付き添ってもらわなくては行かれなかった。 |
車に乗ってドライブする分には外出はできたが車からは降りられない。 |
自分がつらかった話を、主人には話すことができるようになった。 |
一番変わったのは、「表現」する気になったことだと思う。
自分の殻の中にこもって小さくなっていたLv.1の時に比べて、
外に向けて発信したい気持ちが出てきたことは大きい変化じゃないだろうか。
パソコンの中に入っていたフォトショップをいじりだして、
絵を描いてみようと思った。
コンピューターグラフィックなんていう高度なものじゃなく、
ただのお絵かきがはじめだった。
そのうち、自分の絵の下手さがいやになって、もっとうまく描きたくなった。
夢中でいろいろな絵を描いてみた。
はじめの頃は、自分の心理状況を表すように、
暗い背景、暗い表情、暗いシチュエーションの絵ばっかりだった。
けれども、描いているうちに「欲」が出てきた。
「自分はこうしたい」「自分はこんなものが欲しい」
そういう表現に変わってきた。
そうして、かたまっていた心が少しずつほぐれ始めてきた。
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