え?……なんで、権堂で「国定忠治」なのよ!?

国定忠治といったら、「赤城の山も今宵限り」というセリフで有名な江戸時代の侠客です。赤城の山と言ったら、今の群馬県のど真ん中にある山です。

………???????

という疑問は、あとに置いておいて。
N-ex7「国定忠治まつり」が9月26日、権堂秋葉神社前の特設ステージを中心に繰り広げられました。

当日は快晴。土曜日の昼下がりの権堂イトーヨーカ堂前の広場には、いろいろな出店が並んでにぎやかです。そして、その真ん中に設置されていたのが「特設ステージ」。


ステージの上では開会式の準備が進んでいて、何人かの「国定忠治」が開会式の打合せをしていました。それを見て、権堂の人通りが少しずつステージ前に集結しはじめます。

やがて、どこからか笛や太鼓のにぎやかな音が。

ちんどんを先頭に、その後を……

おお!たくさんの忠治たちがやってきました。

突如現れたコスプレ軍団(笑)に、道行く人はビックリ。坊やも目を白黒。
50名強の国定忠治たちがステージ前に集結。お祭りの開会です。

開会宣言として、この日の舞台で国定忠治役を務める劇団13月のエレファントの斉藤正彦さんがみごとな口上を述べ、みんなで仁義を切るポーズ。

これだけの国定忠治がいっせいにやると、かなりの迫力で圧倒されます。

たくさんの人が足を止めて、この圧倒的な光景に見入っていました。

開会式が終了すると、一同は再び列をなして権堂のモールを練り歩き、さらに長野駅まで大行進。

植木商店の二宮金次郎さんの前を通り過ぎる一行。中には、踊り出す忠治まで出現。
長野駅前で再び口上を述べたあと、権堂に戻って一行は解散したそうな。

一方、ステージの方では、このあとパフォーマンスが続きました。
夕闇が迫りはじめたころも、ステージ前の観客の数は減りません。

快楽亭狂志さんの落語のステージ。
皆さん話に引き込まれ、とてもなごやかな表情です。

あっ………こんな所にも、忠治が………。

続いて、13月のエレファントの舞台「国定忠治」に。

もう辺りはかなり暗く、ステージを照らすライトがまぶしく光ります。

野外のせいか、ややセリフが聞き取れない部分が残念だったのですが、そんな状態でもお客さんはみんな乗り出すように舞台に見入っていました。

しかし……こんなアレンジもあるんですねぇ。なぜに、人形!?

小さなお客さんも見守る中、名台詞「赤城の山も……」の場面。

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実は権堂には「国定忠治」のお墓が存在しているのだそうです (正確には、分骨されたもの)。 大学時代に、友だちと徘徊……じゃなかった、さんざん通った権堂。買い物に、飲み会に、しょっちゅう訪れている権堂。

なのに……今までまったく知りませんでした。
地元のことなのに、知らないことが結構ある。なんだかもったいないことだと思いながら、その一方でこういうことを知るきっかけになったこのイベントに感謝です。

「赤城の山も………」という有名なセリフは、この国定忠治を題材に描かれた劇の中にでてきます。そして、実はなんと、長野の権堂もこの劇の中に登場しているのです。忠治は、生活苦のためやむなく娘を身売りさせた権堂村の百姓を助けるのです。

そんな忠治の逸話を持った権堂は、以前は忠治にちなんだまつりや催し物をしょっちゅう行っていたそうです。今回の50名の忠治たちのための衣装は、以前同じような催し物を行った昭和40年代のものなのだそうです。

国定忠治は天保の大飢饉で飢餓にあった民百姓を救済した、という話から始まって、権堂にまつわる話にもあるようにケンカが強くて負け知らず、人情に厚く人望深く、従う子分は200以上とも言われた大親分。それ故に、人々にとっては神にも等しい伝説の人。

時代の流れの中で、何度となく訪れる人々の苦しい時代。こういう人物を求める想いは人々の中に常にあり、忠治が「講談」や「劇」の中でずっと生き続けてきているのもわかるような気がします。

祭りの後の権堂。ぐるっと見回しました。

さっきまでいたお客さんたちはあっという間に姿を消し、土曜日の夜の人通りは、かつての権堂からしたらやっぱりさびしいものがあります。

会場の後ろにあたる場所にも、駐車場になった空間。
店と店との間にぽっかりと空いたその空間から、月がのぞいていました。

忠治が見上げた月と、今の月とは同じ「月」ですが、かつて善光寺の精進落としの花街としてにぎわった権堂と、シャッターが目立つ駐車場で穴だらけになった今の権堂。

今の権堂を国定忠治が見たら、一肌脱いでくれるかなぁ………。

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(写真、文:駒村みどり)

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