何も思い浮かぶイメージがなかったら、身体を動かしながら覚えるというのも効果的。
友だちと、歴史の問題を出し合いながらキャッチボールのまねごとをする。
他にも何かを覚えながらひたすら紙に書きとめる。
私はとにかく、紙に書きまくります。何回も何回も書きます。
これはとても効果的です。それについてはこの後の項で述べます。
それは絶対にひとから与えられたものではダメなのです。自分自身で体感し、自分の中にすぐによみがえらせるものでなくてはダメなのです。だからこそ、いっぱい遊んでその材料を蓄積する必要があるのです。
机に向かって本を読んだりノートに字を書いたり、というワンパターンの経験だけでは記憶はどんどんその中に埋もれていくだけ。
「自分の中に、特別な記憶や経験をいかにたくさん積み重ねていくことができるのか。」
……それが「記憶力」を育てるコツです。
それには日頃から「特別な記憶」を作る練習をしておきましょう。
夕日の赤さも日によって違います。雲の形は一刻たりとも同じではありません。
季節の風の中に漂ってくる匂い。その中で出会った人、その人と語りあった言葉。
五感のすべてを働かせて「今」を真剣に見つめ、「今」をじっくりと感じること。
それによって日頃見えていた風景も、新しく違った顔を見せてくれるでしょう。
そこにどんなあなたの「想い」を乗せることができるのでしょう?
その感動が、その想いの積み重ねがあなたのイメージをどんどん拡げ、その積み重ねによってあなたの中にはより鮮やかでより拡がるイメージの材料が蓄積されていくのです。
それと結びついた時、アルバムに写真を並べるよりもはっきりくっきりとあなたの記憶は彩られていくのです。
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