2-2N-ex Talking Over〜可能性が見えた!〜

その中でさらに見えてきたこと。

それは、善光寺にしろ今パワースポットと呼ばれている戸隠にしろ、南信濃の深い山に囲まれた今は過疎化している土地にしろ、学問の上で日本を引っ張る立場をになった上田にしても、たくさんの「川」によって日本の北と南を結ぶ要所だった松本にしても。もともと長野という土地は「外から入ってくるもの」をどんどん受け入れて取り込んで、陸の孤島といわれる土地の難点を逆に生かしてきた歴史があるのだ、ということです。

長野……信州という土地の持っている本来のそういう力を、このN-ex Talking Overに集う人たちはちゃんと受けとめられる人たち。それぞれの場で、それぞれの想いを持ちながらしっかりとより良い社会の姿をイメージし、それを目指して活動しているのだ、ということを強く感じることが出来たのです。

このN-ex Talking Overというプロジェクト自体は様々な理由で現在は休止状態ですが、この半年の中で生まれてつながり、拡がったものがたくさんありました。

そこから生まれたつながりで始まったプロジェクトやアイディアは、参加したぞれぞれの中で今も拡がり続けています。そして、そこで生まれたつながりや、見えたこと・出された意見や想いは、私にとても大切なイメージをはっきりと形作ってくれたのです。

「大丈夫だ、長野の人はちゃんと生きている。長野は大丈夫だ。そしてこういう人たちがあきらめない限りは、今ずたぼろでも日本もちゃんと大丈夫なんだ。」

「可能性」というすばらしいイメージが、はっきりと見えるようになったのです。

(*N-ex Talking Overについての詳細は、一部ですがエヌ[N]のサイトにまとめられています。テーマや出た話題・資料などはこちらでご覧下さい。)

mebuki

Photo : Midori Komamura

2  N-ex Talking Over 〜可能性が、見えた!〜

翌2008年4月。長野県内の4地区(長野・上田・松本・飯田)でのカフェミーティングが始まりました。

「N-ex Talking Over」と名づけられたカフェミーティングの第1回目は大きな宣伝をしたわけでもなかったのですが、4地区とも大層な人数が集まりました。

正直、驚きました。宣伝をしない、というのは宮内氏の方針だったのですが、これはカフェミーティングという性格上みんながワイワイと話をするには10人前後だろうな、20人行ったら多すぎる、というイメージからのもの。

宮内氏のプロディースしたN[エヌ]というプロジェクトの一つとして始まったもので、カフェミーティングという形をとって世代を超えた交流、アイディアの交流の場としてカフェを利用しながら、地域の文化や問題について語り合う機会を作り、その自由な時間の中で自由な議論の場を目指すというコンセプト。

Talking Overというのは「長野」という大テーマのもと、その地域の抱えるいろいろなものを小テーマに「とことん語りあいましょう」という想いを込めたネーミングです。

そこでは何か決まりや結論を出すことが目的ではなく、世代や立場から持っているいろいろな想いや経験を自由に出し合っていく中でそれぞれの中に「アイディア」が生まれ拡がったり、それがまた別の人の「アイディア」と作用し合ったりすること……つまり、宮内氏の言うところの「アイディアの循環」が目的でした。

つまり、みんなで話し合って何かを決めるという集まりではないので、とても漠然としたものでした。その「漠然さ」とか「曖昧さ」から、イメージを持ってくれる人がどのくらいいるのだろう?……と始まる前の私はかなり心配していました。

けれど、その心配は第1回目の上田会場に集まった人たちの顔ぶれやそこで語られたことからあっという間に消え失せ、むしろ「いけるんだ」という自信に取って代わったのです。

その後、長野、松本、飯田と県内を巡り歩きながら感じたこと。それは、「長野は捨てたものじゃない!」という感覚。

それまでは、私は自然豊かで美しい長野県は好きでしたが、正直いうと長野県の人間に対してのイメージというのはあまり良い物ではありませんでした。まじめで石頭で、伝統や権威に弱くて、新しいことや外から来るものに対してものすごく抵抗感を持っていて。こんな豊かな自然や美しい水と空気を持ちながら何でこんなに堅苦しいんだろう?

それが子供のころからのイメージだったのですが、このN-ex Talking Overで各地をまわり、その長野県に生きる人たちとその場に来る人たちの想いを知るにつけ、自分の持っていたイメージを書きかえるべきだ、ということに気が付いたのでした。

確かに、長野県人は頭が固いしがんこだし、決まりや伝統や形式に弱いのです。新しいことに対しての抵抗も大きいのです。

けれどTalking Overに来る人たちはその大きな壁をちゃんと認識して、「だけどそれを何とかしなくちゃ」という想いを持ち続けてそれぞれ頑張っている人たちでした。

Found it !

Photo : Midori Komamura

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PROFILE

駒村みどり
【すまいるコーディネーター】

音楽活動(指導・演奏)、カウンセリングや学習指導、うつ病や不登校についての理解を深める活動、長野県の地域おこし・文化・アート活動の取材などを軸に、人の心を大切にし人と人とを繋ぎ拡げる活動を展開中。

信州あそびの学園 代表

Twitter:komacafe 
HP:コマちゃんのティールーム
  信州あそびの学園

facebook:Midori Komamura
     信州あそびの学園
笑顔をつなぐスマイルコーディネーター

アメブロ:【うつのくれた贈り物】


WebマガジンNgene特派員
(長野県の文化、教育、地域活性化などに関わる活動・人の取材)
【羅針盤】プロジェクトリーダー。

詳細は【PRPFILE】駒村みどりに記載。

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