本を探したいときには、「連想検索システム“想”」。自分の知りたいことについての言葉一つでそれに関連する本がぱっと表示される。今までのような本のタイトルや著者からの検索では見つからない、意外な本が引っかかる可能性、そこからどんどん検索が拡がっていく可能性。検索一つとっても、かなり楽しい作業が可能になります。
その他、国立情報学研究所との共働によるデジタルアーカイブの研究。小布施の直接は手に取れない古い貴重な文書が誰でも読めるようにデジタルアーカイブ化が進められています。これによって江戸時代に日本全国の文化人と交流のあった高井鴻山が集めた鴻山文庫も、立派な活用できる資料としてよみがえりつつあるのです。
また、iPod,iPhone用のアプリ「小布施ちずぶらり」、このアプリがあると小布施町の現在の地図だけではなく、「いにしえの小布施」(江戸時代の地図)を持ちながら小布施の町を散策することも出来るのです。
花井氏・まちとしょテラソを中心にして生まれてきたそれらの動きは、小布施という町の持つ立派な歴史と、町に活きた人々が積み重ねてきたすばらしい文化を今に受け継ぎ、生かすもの。単に「懐古主義」とかメランコリックな思いのものではなく、きちんと「今」に歴史の流れを受け継ぎ、つなげるもの。そしてそれが、小布施町の未来とその可能性へとつながっていくのです。
歴史と、その積み重ねが生み出す力強い未来への展望「イメージ」が、小布施の町を作っています。そして、その歴史が育んできた「人を愛し、人を育てる」気風が、花井氏をはじめとする多くの人々を小布施という小さな町に惹きつけ、引き寄せる。
小布施を愛する人々が自らの生きる場所を「人の住む街」として作り上げ、その心が感じられる町並みを訪れる人々をまた魅惑するのです。
そのため、北信濃のほんの小さな町に過ぎない小布施町は、平日でも観光客の姿が絶えることはありません。そしてそんな「人の生きる、人の住む街」小布施では、まちとしょテラソの取り組みだけではなく、あちこちでいろいろな試みが日々積み重ねられていくのです。(記事参照)
小布施町の躍動。それはそこに住む人々の力強い未来にむかって進む足音でもあり、心の高鳴りでもあるように思います。歴史に支えられ、それを今に繋ぐことが出来ると、こんなにも未来への明るいイメージを描き出す事が出来るのです。
一度小布施町を訪れてみてください。一歩その町並みに降り立ったら、それは実感として……力強いイメージとして、あなたの中に湧き上がってくるはずだと思います。
詳細:
☆オーディオバイオグラフィー【羅針盤】
第3巻 市村次夫
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