オギタカ・音あそびの会

時にはオギタカさんの朗読を聞くときもあります。

「大地のめぐみに ありがとう」「いのちのつらなりに ありがとう」「環になって 和になって おどろう」……「アフリカの音」という絵本です。

この本が与えてくれるイメージ。それは「すべてが循環していくことの大切さ」。

音あそびの会に持って行くこの本。会場の人たちは目をつぶって朗読をじっと聞き、受けとめます。時によっては様々な楽器の音がそこに「色」を添えることがあります。

そうして鮮やかに彩られた循環のイメージは、その場にいる人たち1人1人の中で、自分の周りにいる人たち、家族、友人、そういう人たちとのつながりだけでなく、大地、自然、地球とのつながりのイメージにまで拡がっていくのです。

「命だけでなくすべての事はつながっていて、つながることで大きな意味が出てくる。
昔で言えば子供は友だちとの遊びを通して自然に身に付いてきたものや、大人も地域とのつながりによって育んできたものがある。


 それが希薄になって来ている現代。 みんながどんな壁も関係なくフラットに付き合えたら、もっと楽しく、もっと豊かな世の中になると思います。
それは僕が障害のある子供を持ったからより強くそう思うのかもしれません……。 」

オギタカさんはこの想いを持ちながら様々な人たちと、様々な音を重ね、つながっていく……それがこの「音あそびの会」。そこには、大人とか子どもとか、男とか女とか、教える方と教えられる者とか、音楽の上手い下手とか、障害のあるなしなんてまったく関係のない世界が拡がります。

それは音楽活動を続ける中で様々な人たちとの出会いや、アスペルガー症候群といういわゆる「障害児」とされるお子さんとの毎日から受け取ってきた豊かなものたちが集結した、オギタカさんの一つの「実り」の形でもあります。

こうして、様々な場所で、様々な形で「命」や「大地の鼓動」と言ったイメージが音に乗って拡がっていき、そこにいる人たちとつながることで生まれる彩りをさらに重ねながら、オギタカさんと人たちとの間でどんどん循環し、さらにあたらしい生き生きとしたイメージを生みだしていくのです。

まるで人を創る細胞が細胞分裂してあたらしい細胞に生まれ変わっていくように……。

もしも、このイメージによってつながりあった人びとでこの社会や地球が満たされていったら……この世界はそれは色鮮やかで豊かな、人と人とが優しく寄り添いあえる世の中になって行くに違いありません。

N-gene詳細記事:
届け、つながれ。〜大地の鼓動・風の歌〜

音あそびの会

Photo : Midori Komamura

(2) 「イメージ」がつなげる大地のパワー オギタカ・音あそびの会

「大地のめぐみに ありがとう」
「いのちのつらなりに ありがとう」
「環になって 和になって おどろう」

音ひとつないしーんとした静寂の中で、ちょっと低くやわらかい声が言葉を紡ぐ。彼を取り囲むたくさんの視線は、真剣にその声の主を射貫く。さっきまで笑顔と様々な打楽器の音であふれた教室と同じものとはとても思えない。だけど、そのどちらもが人の持っている本質の表出なのだろうと思う。

声の主は、オギタカさん。彼は作曲家として数々のゲーム音楽を手がける一方で、シンガーソングライターとしても精力的なライブ活動を続けています。

そのライブで彼が奏でるのはピアノと、「ジャンベ」や「バラフォン」といったアフリカの楽器です。

オギタカさんはライブの時に首に提げたジャンベをたたきながら楽しそうに歌うので、お客さんもいつの間にかいっしょに歌い踊っている……自然とからだが動き、リズムの波に揺られてあふれる音に身体をゆだね、その場が一つの大きな輪に包まれる……そんな感じなのです。

アフリカでは、ジャンベやバラフォンのような楽器は「会話」のために使われているそうです。その音を聞いていると、リズムと音の強弱と、さらに高低と……様々な要素が絡み合って、人の叫びやささやき……魂の鼓動に聞こえてくるから不思議です。

もともと、音楽というものは人がその想いやイメージを人に伝えるために生まれてきたもの。そういう意味でアフリカの楽器たちはシンプルに、ストレートにその楽器本来の意味や命を果たしているのかもしれません。

それを強く感じることが出来るのが、オギタカさんがもう一つ想いを注いでいる「音あそびの会」です。

何回か、オギタカさんの「音あそびの会」に同席させてもらいました。

どの場面でも、最初その場にいる人たち(子どもだったり、大人だったり様々です)は、物珍しい楽器と「音楽」を目の前にかなり緊張の面持ちで始まりますが、オギタカさんに導かれながらジャンベに触れ、たたき、その音の「表情」を感じ始めるとまるで子どものような無邪気な笑顔が拡がりはじめます。

アフリカの楽器に限らず、オギタカさんは川原の石や竹筒まで、みんな楽器にしてしまいます。オギタカさんのリードでそれらを使って周りの人たちと音による「会話」を楽しみます。上手い、下手なんかなく、とにかく表現して伝える。その表現がたくさんの人に「伝わる」と、笑顔や感動の輪が拡がっていくのです。

そこにいる人たちは、自分の表現を伝えようと気持ちを注ぎます。だから、聞く方も全身を耳にして受けとめます。音を奏でる手先に注目し、その音を一つも逃さないように身を乗り出します。すると、発する方はさらに心を込めて奏でます。そこにはちゃんと音を通じた「コミュニケーション」が成り立っているのです。

(2に続く)

音あそびの会

Photo : Midori Komamura

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駒村みどり
【スマイルコーディネーター】

音楽活動(指導・演奏)、カウンセリングや学習指導、うつ病や不登校についての理解を深める活動、長野県の地域おこし・文化・アート活動の取材などを軸に、人の心を大切にし人と人とを繋ぎ拡げる活動を展開中。

信州あそびの杜学園長

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笑顔をつなぐスマイルコーディネーター

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(長野県の文化、教育、地域活性化などに関わる活動・人の取材)
【羅針盤】プロジェクトリーダー。

詳細は【PRPFILE】駒村みどりに記載。

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